岡本眞ブログ
2017.02.18
自慢料理「具だくさん汁」
昨夜のテレビ朝日のニュースステーションを何気なく眺めていますと着こなしが都会的なセンスがあってかっこよい中年のおじさんがゲストにでていました。キャスターとの解説問答も一般庶民の視線というか非常に分かりやすいのです。「えっ、この方、誰かいな?」と画面に釘付けになりました。
その方は、料理研究家土井善晴さんです。
そしてこの番組で、世間でよく言われる「一汁一菜」(ご飯に汁もの、主菜1品)の勧めたのです。多くの種類のおかずを作らなくても「具だくさんの味噌汁」があればそれでいい、というのが土井さんの提言です。
これぞわが意を得たり!
実は僕の自慢の家庭料理は、「具だくさんの味噌汁」だったんです。もう百万力の味方をえた気持でしたね。
休日に妻から「今晩、何がいい?」「何が食べたい?」、、と聞かれるのに少々うんざりしていたものです。ついつい「う~~ん、そうやなあ。鍋もんでも、刺身でも、焼き魚でも、なんでもいいよ。」と聞き流してしまうのが常です。
妻は妻で、買い物に出かけては老人2人に食べきれない程の食材を持ち帰って、「一汁一采ならぬ一汁三采四采」の豪華版を膳に並べたもうてしまう。もちろんせっかく出してくれたものをとっさらう不埒者にはならないので、ちゃんと頂くのですが食べ過ぎを意識してご飯は軽く一膳というのに慣れてしまうのです。
妻が信州におひとり様で滞在することがよくあるのですが、そういう折は僕の「具だくさんの味噌汁」の創作出番です。
冷蔵庫の中に、人参、大根、白ネギ、玉ねぎ、キャベツ、そのた青物があれば大万歳。あと豆腐、練りもの、おあげ、卵で献立のベースの出来上がり。ちょっと贅沢に豚肉やシーチキン缶、ウインナーもあれば1週間は持ちます。栄養面も万点です。
ご飯を炊いて、これら具だくさんのお味噌汁を作るだけ。1人だけの楽しみ、贅沢な至福の時間となります。漬物はべったら漬け、たくあん、他浅漬けでばっちり。
熱々の味噌汁を丼鉢に並々入れて、フ~フ~してよく噛んでいただく。次男がお土産に買ってくれた別府の芋焼酎を湯割りして1人乾杯。テレビチャンネルは独占。ゆっくりと時間の流れる夕飯どき、、。分かりますね。つかの間のこの解放感を。
土井さんも言うてました。「一汁一采」は手抜きだと思うと後ろめたさを感じてしまいますが、そもそも和食の身上は素材を生かすこと。素材の持ち味を引き出すにはシンプルな料理がいちばんですと。
出張や付き合いなど外食が続くとき、やっぱりこてこて油ものや塩辛いものに面食らいながらも胃に詰めるあさましい性分の僕には、野菜中心の様々な味を感じる孤独体験は、貴重なものです。鍋も蓋付きの小さなものだけでいい。味噌は減塩の濃くのきいたちょっとこだわりものがいいかな。それと出汁の素も安物は塩辛いのでよく吟味しましょう。
殿方も料理ぐらいは作れないとね。ぜひ、自前の味噌汁に挑戦してください。
参考までに
書籍「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社) を紹介しておきます。