岡本眞ブログ
2017.02.11
但馬聖人「池田草庵」への思い
江戸後期-明治時代の儒者。詩文を好み、何よりもその篤実な思想,行動から、但馬聖人と呼ばれた草庵先生。
山陰但馬の地、宿南青谿書院で人間の生き方、人格の形成をめざす知識と実行を兼ね備えた人間の育成に心をくだかれ幾多の偉人を輩出された「池田草庵」先生です。今私は同郷という親しみもあって、この陽明学者「池田草庵先生」のことば「肄業餘稿」に触れ読み親しむ輪読会を続けています。
めまぐるしい時代の流れに翻弄されつつ今を生きる私たちの生活に対してまさに大事なヒントが得られるのではないか、と関心をお持ちの方々と隔月に1回、読後感など自由にしゃべりあっているのです。
私が草庵師に最も魅かれるのは、その方の教え云々というよりは師の自らを律する態度というか衆の模範となる立居振舞いに大いに心動かされるからです。
人は何を言っているのではなく、どう言っているか。
言っている内容よりも、その人の言い方、動作、態度、表情に本気度を見、影響を受けるという「メラビアンの法則」があります。人は目ほどにものを言う、てあれです。
正にその風貌、生活習慣に本物を感じるのです。
師の生きた同時代の門下仲間の草庵評に次のような一説が残されています。
「草庵の人となりは、まさに康斎の流亜である。いわゆるその学の造詣、行の励苦はわれ先生においてこれを見る。」「これぞ春風中に坐了する」と。
また「草庵ハサッパリシテムツカシイ風モナク、俗気ガ少ナイゾ。山人隠士ノ風ガアッタゾ」との、塾に訪れた人の回想とも呼応しています。
業の深い煩悩の塊りと魑魅魍魎のばっこする娑婆世界に慣れ住んだ自分が、漠然と憧れる境涯に過ぎないのかもしれません。いわゆるできっこない憧れ、ないものねだりの類ですね。
大自然のなかで大きく深呼吸する。恵まれた空気、おいしい水。その山川海に感謝し生活を支えるささやかな働きがあれば元気で長生きできる環境かもしれませんね。
今朝、NHKの番組「関西ええとこ」を見ていますと「ズワ~と吸って、パワア~と吐く」これが長生きの秘訣、と93歳のお爺さんが言われていました。
う~ん、確かに。。
もうひと方、同じ90歳代のお爺さん「でも強欲を出したらあかん。欲は生きる楽しみだが強欲はストレスとなる。人を責め、皆んな自分にストレスとしてはね返ってくるから、、」
と宣れていました。
う~ん、なるほどなるほど、、。欲あっての消費、欲あっての刺激、欲あっての活力、、、。
少々の欲はいいが、強欲はダメか。その見極め。難しい問題ですね。