岡本眞ブログ

2015.04.16

ヒトを動かす

表題をご覧いただきあの世界的なベストセラーになったデールカーネギー氏「人を動かす」を思いだされた方にはごめんなさい。

最近「組織を伸ばす人、潰す人」(PHP研究所)の著者で有名な柴田励司さんの図書を読み、いろいろと共感したことがあります。
人が育つ職場や風土づくりなど人と組織の活性化について長年、業を続けている私も今更ながらに肝に銘じなければならないことを多々再認識した次第です。

今のご時世、時間をかけて部下を育てる余裕など、ないと思われている経営者はいませんか。
著者は今の企業組織で働く者の多くが集団皿回し症候に陥っていると表現しています。
皿回しという曲芸は、何本かの棒で皿を回し落ちそうになったら走っていき、また回転を上げて皿を回し続け、より多くの本数を競う見世物ですね。

このさまが自分が直面している仕事をひたすらこなし、さばいている姿に似て、まるで皿回しのようだと言うのです。

集団皿回しに陥ることなく健全なマネジメントを行うには、
「新たに始めること」
「継続すること」
「止めること」
の3つのバランスをよく考えて時間を取捨選択していくことだと。

そうですね。
月日や時間はあっという間に過ぎるものです。いままでの繰り返しでは皿回しと一緒です。有効な時間の使い方や労力の注ぎ方はこの3つのバランスをよくよく考えてやらないと結局、当面のこなし処理に追われてしまいます。皿回し症候がますます重症化するも必然です。

自分の会社を悪くしよう、足を引っ張ろうと思っている人はいない。
しかし「仕事を頑張ろう、会社に貢献しよう」という気持ちには強弱の差があります。個人差があります。

柴田氏はできない人間をできる人間にするにはなんと言っても先ずはやる気の前にその気にさせる、ことが大事だと言っています。本人がやってみたい、と思わせる気持ちにさせることですね。
やる気というものはどういうときに起こるのでしょうか。
私は誉められると気分が高揚してきます。
豚もおだてられると木に登る、つていうやつですね。
周りの人がどう振る舞い、どんな言葉をかけるかによってやる気は高まったり、逆に下がったりするものです。
中学生の頃、好きな担任の科目が得意になったり、お母さんに褒められたものに夢中になったりした方は多いのではないでしょうか。

有名な日本海軍連合艦隊司令長官 山本 五十六の名言があります。
「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず

やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

どうですか。
人を育てることということは、実に多くの気遣いと根気が要りますね。
教育の仕事に関わって長らくの経過です。きょういく(今日、行く~)、なんての付け焼刃ではどうしようもないです。そうかといって天下国家の100年の計は、教育からなどと流暢なことも言ってはおれないでしょうね。
人の自尊心を尊重し、相手がやれないのは、自分が教えなかったのだ!という格言を今、もう一度問われているように思います。