オフィス人事教育のふれあいブログ

2009.11.22

無知の平和・・・  知らぬが仏

土曜日に母校の大先輩に誘われて、ユニバーサルコンサルタント(ユニコン)研究会という勉強会に行ってきました。
急成長を続ける中国の視察報告でした。テレビや新聞では分からない中国ビジネスの実情をありありと聞くことができました。なかでも内モンゴルや天津市、四川省など内陸部の成長が際立つとの話でした。昨年のリーマンショックの煽りで上海市、広東省など沿海部の大都市が低迷しているのと対照的なお話でした。

僕がびっくりしたのは、中国政府による切れ味鋭い国策投資とそのスピードの速さ、大胆な方針です。未開発地域のインフラ整備投資、電気自動車製造、太陽光発電システム導入計画、環境モデル都市計画などその政策の規模といい、戦略的な試みが実にダイナミックなことが分かりました。たしかに共産党1党権力なので意思決定が早いのはうなづけますが、プライドの高さが充分伺われます。環境問題など世界から非難されることを恐れ、いち早く電気自動車やエコモデル都市計画などに総額100兆円以上の投資を決定してしまう中国の懐の深さをまざまざ見せ付けられた思いです。

 私たちはなんとなく日本こそ環境技術は世界のトップレベルであり、次世代産業の育成についてもわが国が一歩、前進しているんだという錯覚をしているのではないでしょうか。また中国に対するイメージもどこかに”目上から視線”をしているところがあるんではないか、という気がしています。

 日系合弁企業が失敗する多くのケースは、このような横柄で偏見した労務管理が原因としていると聞きます。成都市にあるイトーヨーカドー店が世界売上ランキング1位をキープしているといいます。その原因は徹底した市民の消費生活の調査にあったことを聞きました。一軒一軒の冷蔵庫の中をみて歩き、ヒヤリングし、消費性向を調べあげたといいます。郷に入れば郷に従う。この見本を見せられました。労務管理も経理も教育研修も中国人自らにやってもらうことも重要らしい。

怖いことです。現実を知らない、ということは。

 国益を最優先に外交を展開する模様は、つい先日のオバマ大統領の東南アジア歴訪でのニュースでも伺えます。
 テレビを通じて、なかなか中国もアメリカもしたたかな物言い、だと素人庶民で
分析オンチの僕さえも思っています。

今回の勉強会に行って、百聞は一見にしかず、実際に現地の人々に触れ合い生の情報を聞くことができただけでも、随分と中国通になったような気がします。少なくとも来年中には日本を抜いて世界2位のGDP大国になるのは確実です。
何にも知らない平穏、無知の平和はそれはそれとして幸せでしょうが、無知はあらゆるチャンス逃がすだけでなく、あらゆるリスクも同時に負っていることを
改めて感じた次第です。

 知らぬが仏、怖いもの知らずでは”行け行けどんどん!”これでいければ世話のない話です。せいぜいこの勢いもつかの間の命ですね。
敵を知り己を知らざれば百万の兵を得たり・・と同じと、の言葉を少しは意識することがあってもいいですね。