オフィス人事教育のふれあいブログ

2008.12.10

 先ずはじっくりあきらめず! 戦略的経営プログラムを行なう上で

総悲観論になってませんか。
派遣社員、有期契約社員などの解雇という雇用不安が、世界全体の冷え込んだ経済の雲行きをますます怪しくしているかのようですね。
 企業とは環境適応業である、とはあのドラッカー博士の言葉である。ビジネス環境の変化を予測しかつその変化に果敢に挑戦する姿勢と実行できる組織と人材を抱える企業こそが生き残るという経済合理性を如実に受け止めざるを得ません。
しかしそんな簡単なもんじやないですよね。アメリカの自動車ビッグスリーが倒産の憂き目にあい、わが国と同じように多額の公的資金を要請する羽目になっています。人間の眼力とは所詮、そんなもんです。最近、世界的に有名な数理学者が「人類の考えることに完全なものってありえない。完璧や完全なものに近い数理は学問として追求できるが、これとても自信がもてるというまではとても言えない、」と。
 サブプライム問題に生じたアメリカ発世界不況の筋書きに、はっきりした光明があるのでしょうか。そんなのあったら苦労しないですよね。一つ言えることは、いまこそ自分の感じる5感を信じてみようということですかね。
自分の足で現場に行き、自分の目で確かめ、手で触り、鼻でかぐ、その他の5感も使った納得感を味わうことが大事なんでしょうね。自分が少し立ち止まって、感じ考えたことなら失敗しても納得できる場合もあるのですから。

先ずはじっくりあせらず、あきらめず。
 その納得感も人の集まりである企業には、それぞれの見解が異なり、不協和音が耐えないことは皆さんも承知ですよね。「過去・現在・未来のトレンドシートを使い、環境変化の要因を具体的に把握してみる」、とはいかにも教科書的な言い方かもしれません。
 今、中期経営計画や事業戦略の練り方などがいろいろと図書版やセミナーの類で巷に案内されています。でもどうでしょうか。チャート式マークシートに導かれながらわが社の望ましい将来ビジョンを描いてみても、誰も納得なんかできないでしょう。でも現実には、主催者側が提供する便利なチャートをステップごとに記述して3年後のゴールイメージを導き明かすかような方法が使われていることが多いのです。

 戦略経営プログラムの10ステップ
 使用されるマークシートやチャートをどうこう言うつもりはありません。ここで大事なことは、そのチャートやらワークシートを何時の時期に、誰が、どういう場面で、どれくらいの時間と労力をかけて使いこなすか、が問われるものと思っています。企画担当者がセミナーを受けて洗脳されて帰ってくるだけでは何の意味もありません。
① わが社わが部門の将来構想を考える(向こう3年間の道しるべ)
② 今、わが社が置かれている状況 ~内外環境の変化を知る~
③ SWOT分析~会社の強み・弱み、市場の機会・脅威~
④ 問題抽出・経営課題の設定
⑤ 重点課題と周辺課題の絞込み
⑥ 経営マネージャーの責任と貢献内容の明確化
⑦ 部門の役割マトリックスの編成
⑧ 部門目標の設定
⑨ 職場目標の設定
⑩ 管理監督職のリーダーシップとフォロワーシップ
列挙した10のテーマはそれぞれ大変重要な戦略的経営マネジメントの実践策です。やることはわかっていても、現実はなかなか思うように事は運ばないのが現状ではないでしょうか。

考えることをあきらめない
 その原因の一番大きなものが、考える頭がないということです。いわば新たな仕掛けやアイデアを使いこなす構想力の乏しさからくるものです。現状は著名な優良企業でさえ大手コンサルト会社にまる投げというところも珍しくもないのです。日頃からサラリーマンは何を(what)という自らが仕掛ける能力が弱いのです。
 次に課題を解決するための実践策を具現化していく組織運営力が問われます。より専門化した組織や能力の個人技を特色とする会社はますます多くなってきています。反面、人心を掌握でき、チームづくりができる、部下のモチベーションを高め組織を束ねることができる、仕組みづくりに長けた能力や仕組む力(haw)をもった人たちは極端に少なくなっているように思えてなりません。メンタルケアを必要とする職場の大半はコミュニケーションの断絶現場です。
人をあきらめない
 先ずはこの仕掛ける力(what)と仕組む力(haw)をもった人を時間をかけてでも社内から養成していくことではないでしょうか。最初は貴方ひとりからでも始めましょう。そして同調してくれる側近を一人、二人と増やしていくことが大事な道程だと思います。やがて点が組織の縦横無尽の線とつながり大きな改革のうねりとなっていくことを実感しながら進めて行くことが大事ではないでしょうか。会社の将来を託す計画づくりも組織づくりも本当に骨の折れる大きな冒険です。
貴方の本気が周囲への導火線になっていくことを信じて、おごらず、へこたれず、あきらめないで、あなた自身の生き様を示していきましょうよ。
 本来なら経営企画や人事、総務という本社管理部門のスタッフが火付け役を担うことかもしれません。しかしそういう人たちからは、経営者トップや役員が主体者だ、と言います。そんな犯人探しをしていても何もならないのです。会社を本当に憂い、良くしていこうとする志の高い若者、女性、高齢者、非正規社員のどなたでもよいのです。どうですか、貴方がいっちょ、改革の騎士になってみませんか。今までの僕の経験、ノウハウ、失敗、成功の体験etcを込めて応援しますよ。
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