オフィス人事教育のふれあいブログ
2008.05.27
病んでいる職場、かくも多い精神疾患や過労死
どうなってしまったの。わたる世間は不安ばかり?
最近の世相やニュースに触れるたび、社会の先行きに”不安”という重苦しい暗雲が遮っているように思われます。時間に追われ、目先のこなし処理に血眼となって苛立ち、手足をもがく様のように思われて仕方がありません。そこには最早、ゆったりとした自分の呼吸リズムさえ忘れ、自らを省みる余裕も見受けられない。経済苦、貧困、孤独、病、・・みな人の営みから生じる不安で、いつの世にも珍しいことではないのですが、ここ数年、ちょっとひどいのではないでしょうか。新たなる経済(所得)格差を単に自由競争の産物だと白をきる為政者もほんと、困ったもんだと思います、よね!。
若い社員の欝”中高年の過労自殺 ??
さて、当所においても最近、病んだ社員の扱いをめぐる相談が増えています。無断欠勤が続く、突然、行方不明になってしまった、集中力が出ずケア・レスミスを頻発する、ただ一人ぽつんと引きこもり皆と話もしない、夢遊病者のごとく歩き回り焦点が定まっていない、突然、大声を出したり、笑う・・・など明らかに放ってはおけない、現象が本当に多くなっているんです。
メンタルヘルスと業務上災害
とりわけ普段、なかなか気付かないメンタル性疾病を患う若い社員の相談が目立ちます。
そしてそのご相談の論点は、疾患が業務を原因として起こったのかどうか、つまり労働災害に当たるか否か、という問題です。業務に起因して病気になったとすれば社員は休業中の生活費の給付など労災補償を請求することになります。問題はこの労災が認められると、例えばその後、会社に損害賠償請求など民事訴訟へと発展する可能性が出てきます。もちろんこの場合は民事損害賠償と労災補償との調整がなされますので、請求者にとっては二重のてん補はなされません。しかし現実的には慰謝料など道義的責任の問題は払拭できないでしょう。
産業医や指定医の判断も参考に!
そこでこのようなメンタルヘルスをめぐっては、実務上、主治医の影響力が非常に大きいわけですからいわゆる三者面談などを行って、医師の明確な見解を求めるようにしてほしいのです。患者さんを疑うつもりは毛頭ないのですが、医者も人の子、自分の担当患者さんには人情も入ります。より客観的な判断を仰ぐには産業医や指定医の受診を勧めることが必要ではないでしょうか。特に療養のため会社を休む休職期間が満了して、本人が復職を求める場合です。会社としては治癒が認定できず「当然退職」で処理するということになり争いが生じます。逆に安易に復職を認めて、症状が悪化したり不幸にも自殺につながったりしてしまう怖れも無きにしも非ずです。
肥大化する安全配慮義務
社員本人が原職復帰を主張したとしても、慎重に検討する必要があるのです。社員にとっては異動や降格に伴って賃金が減少することは避けたい気持ちは理解できます。しかし、会社はあくまでも本人の健康回復と症状悪化を避ける観点が大事です。そして作業(就務)時間を減らすこと、仕事内容を軽減してプレッシャーを与えないこと、衛生環境の良い職場への変更などについて、本人の希望や家族の意見を聞きながら配慮してください。「安全配慮義務」ということがますます広範に求められているのですよ。それにもう一つ、メンタル面での疾患者には定期的に症状の報告を求めてください。きちんと本人の状態を確認することは会社の誠意ですから。
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