オフィス人事教育のふれあいブログ
2008.02.11
名ばかり管理職に司法のメスが!管理監督者の労働時間管理(残業時間・休日勤務・深夜労働)は適切ですか。
名ばかり管理職に司法のメスが!・・
労働基準監督官の指導勧告も目立って多くなっています!
管理監督者の労働時間管理(残業時間・休日勤務・深夜労働の割増手当)は適切に行なわれていますか?
またまた寒い大雪の連休になりました。奈良地方は積雪12センチと辺り一面、真っ白の銀世界となりました。久しぶりにキュ、キュという新雪を踏み込む靴音を聞き、子どもの頃の懐かしい冬の匂いを想いだしました。さて最近のニュースから・・・
●最近、マグドナルドの店長やコナカ元店長に管理職としての実態がないにもかかわらず残業代を支払っていなかった、として未払い残業代2年分の支払いが相次いで命じられましたね。このニュースは肩書きをつけたら残業代はないよ、といって人件費を節約しようとする企業経営者に今後、大いなる警鐘を鳴らしています。
実際、管理監督者の範囲を広くとり過ぎたり、実質権限を伴わない管理監督者を置くなど不適切な取り扱いにより、結果として支払うべき割増賃金を払わず、また過重な長労働時間を行わせている企業は、かなりあるのです。
管理監督者の位置づけと「労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外」の問題は、結構グレーゾーンに入っていることが多いのではないでしょうか。
●【法律の解釈】
労働基準法第41条第2号では、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者は、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しない(但し、年次有給休暇の付与と深夜時間帯の割増賃金支払義務に関する規定は適用されます)」と規定しています。そして”監督若しくは管理の地位にある者”と判断するには、次のポイントをあげています。
①経営方針の決定に参画しまたは労務管理上の指揮権限を有しているか、
②出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有する地位にあるか、
③定期給与である基本給、役付け手当等において、その地位にふさわしい待遇がなされいるか
④賞与について一般労働者に比べて優遇措置が講じられているか否か
⑤スタッフ職の場合、経営上の重要事項に関する企画立案等の部門に配置され、ライン管理監督者同格以上に位置付けられる等、相当程度の処遇をうけているか?
等です。
●サービス競争やら人件費コストの圧縮やら企業の実情もいろいろあるでしょう。しかし時間外に働かせたら割増賃金は、ちゃんと払う、自己申告による場合であっても労働時間を適正に把握する、ことなどは従業員を雇用する使用者の基本的な責任です。現行の労働法制において、「管理監督者の役割責任」の見直しをはじめ「みなし労働制」「変形制」「フレックス制」などをもっと工夫し知恵を働かせるべきです。法令違反を摘発される前に、予防措置をとる実行力がいま、まさに問われています。
●何で、うちの会社だけ指導を受けるんや。みなやっとるがな。放っておいたろー・・では通用しません。例えば労働基準監督官による是正勧告で指摘された内容自体が違法の事実であればその改善の意思がみられない場合、逮捕、送検となる場合があり、検察庁への送致や裁判の判断(起訴)に委ねられることになるのです。
●大阪府下の労働基準監督署では、例年11月一斉に労働時間の適性把握と共に労働時間管理のコンプライアンスの実態調査に乗り出します。当事務所にも平成20年1月早々から監督署の是正勧告書への対応について相談が続きました。今後、改めて労働基準監督署の是正指導を受けるケースが多くなってきそうです。労働基準法37条(割増賃金支払い義務)違反が認められ、かつ重大悪質な事案については、司法処分を含め厳正に対処する姿勢を明確にしているように思います。
★お早めにご相談ください。 貴社の業務の実態や労務構成を踏まえて、人事労務に係わるコンプライアンスを職場の隅々に浸透するよう提案、具体策を助言します。
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